.善かれと思って

善かれと思って、はからったことが、善かれと思ったようにはならなくて、思いもかけぬ反対の結果を生み出すことが、
しばしばある。思いが足りないのか、はからいが足りないのか、それにはいろいろ原因があるのだろうが、よくよく考え
てみれば、やっぱりそこには、何らかの策を弄したという跡が目にうつるのである。
善意の策も悪意の策も、策は所詮策にすぎない。悪意の策は、もちろんいけないけれども、しかしたとえ善意に基づく策
であっても、それが策を弄し、策に堕するかぎりは、悪意の策と同じくまた決して好ましい姿とは言えないだろう。
つまり、何事においても策なしというのが一番いいのである。・・・・と書いてありました