Practice! Practice! Practice!

今日は、4月から入社される5期生の研修を野見山さんと共に担当させていただきました。
私などで良いのだろうか???と思いながらの研修でしたが、とても有意義で楽しい午後を過ごす事ができました。
入社されるのは、男性女性それぞれ2人の合計4人です。
建築を学んでこられた方、法律を学んでこられた方、心理学を学んでこられた方、、、、、
興味深いです!
今日が研修2日目なのですが、みんなすっかり打ち解けて、とても良い雰囲気でした。

午後からは「デザインに対する考え方」、「実例を用いた図面の役割と種類」、そして「実例を用いたレイアウトの実際」がプログラムでした。
このプログラムを通して感じて頂きたかったのは、「建築に対する目の養い方」です。
建築に対する目は、結局のところ、頭で考えるだけでなく、手を動かし、体を動かし、実際に目で見、肌に触れて体感しなければ養われません。
実際に目で見ると、印象がガラリと変わるという事はよくあります。

私は以前、とても、とても、とても、”せん越”ながら、フランク ロイド ライトのデザインは過度に華美に思え、好きではありませんでした。
しかし、シカゴにあるライトの事務所や、その近所にある沢山の作品を見て、見方が180度変わりました。
ライトの建築は、1/1スケールで見て、つまりその縦横奥行きの100%のスケールで見て初めて、意図した作品になるように設計されている、ということが分かりました。
ですから、個人的には今でも、書籍等の写真で見るライトの作品には余り良さを感じません。
縮尺された図面上ではなく、1/1スケールにしてその良さが十分に引き出されるようデザインされているのです。

それで、実際に目で見、手で触れること、これが大事です。

さらに自然界に見られる芸術よりすばらしい手本はありません。
例えば色の組み合わせに迷ったら、色相表も良いかもしれませんが、自然界に見られる色の組み合わせを調べれば、最高の組み合わせを見つけられます。
素材、構造、工法なども面でも、自然界は最高の教科書です。

それで5期生のみなさんには、いろいろなところに身を置き、良いものをたくさん経験し、成功と失敗の例から学んでほしいと願っています。
時間や、資産は限られているので、それを賢く用いて、学ぶためのその分を、必ず取り分けるようにしてほしいと思います。

目を養い、良いものがなぜ良いのか、失敗がなぜ失敗なのかを見分けられるなら、どんどん成長し、建築をもっともっと好きになっていくと思います。
相違を見分ける力のことを”知覚力”といい、人間はこの感覚を鍛えることによって色々な能力を培ってゆきます。
大工さんが鉋(かんな)で木材を仕上げるのも、左官さんが漆喰壁を塗るのも、音楽家が微妙な音の高さや強弱を表現するのも、新体操の選手が完璧に体の動きをコントロールするのも、書道家が人を感動させる書を画くのも、この感覚、”知覚力”が鍛えられているからです。 
そしてこの能力を培う為には練習と経験です。 
臆せず自分の身を置き、練習し経験する。 私自身これを続けていきたいと思います。
Practice makes perfect.


それにしても、22歳か! 
いいねー22歳! 22歳のころ、うーん楽しかったなー!
現在38歳も楽しんでいるけど、体力の方が、、、、新陳代謝が、、、(涙)
なんて泣いてられません! 引き続き自ら学び、周囲の方々から学び、Practice。
がんばります。

5期生のみなさん、今日はとても良い時間を、ありがとうございました。

MT