位置エネルギー

只松建設power house の社員が毎朝朝礼で唱和している、行動基準の中に、「人を敬い愛し続けます」という一文があります。

私達は誰しも愛され尊厳を認められる必要があります。 
とはいえ、一般に男性は敬われる事を、女性は愛される事を、より必要とするようです。
でも他の人に自分を尊敬する事を、また愛する事を強要する事ができない事は明白です。
ではどうすれば、尊敬され、愛されるのでしょうか?

夫婦として「時の試練」に耐え、成功している人々を観察していると、その共通点は、愛と敬意という特質の存在です。
さらに、夫婦に問題が生じた時に、そのような特質を、夫また父親が率先して示すということが、もう一つのポイントのようです。

つまり、愛する人は尊敬され、尊敬する人は愛されます。
その良い循環が、何かの事で止まりそうになった時には、家族の主な責任者である夫がその循環を再び作り出します。
止まりそうになったその循環を、再び作り出すのに必要なエンジンのような役割をするのが、謙遜さです。
それで謙遜さは弱さのしるしではなく、むしろ精神的に成長し強くなければ持つ事のできない特質です。



では、なぜ家族の中で夫が率先しなければならないのでしょうか。
その理由の一つは、「多く与えられた者には、多くが要求される」という原則です。

数年前、増築工事をさせていただいたお客様で、「裁判官」の方がおられました。
そしてとても興味深い話をされました。
裁判官は交通違反のような違反を、”ちょっと” してしまったとしても、その裁判官という職を続ける事は、法律上は明文化されてはいないものの、”道義上” 難しいそうです。
つまり、「多くを与えられた者は、多くを要求される」のです。

結婚する時、夫は家族の主人として責任を引き受け、多くの場合、大きな決定事項において最終的な決定を行います。
それで、夫は家族の中で、「権威」を持ちます。 それは位置エネルギーのようなもので、ある場合、行使されていなくても、力を持っています。
そのように夫は多くを与えられているので、多くを要求されます。 
その一つが、家族の中で率先する事です。 謙遜であること、愛する事を率先することです。



会社でもそのように「より多くを与えられた」責任者は率先する事が求められます。
社員一人一人の必要の違いをよく見分け、大切にする事、人を愛し敬うことをを率先する事が求められます。
社員はだれでもこの点で率先できます。しかし責任者がそうする事には、より大きな益があります。
なぜなら、責任者は「位置エネルギー」を持っているからです。
歴史を通じて、そして現在も、「権威」という「位置エネルギー」は悪用されています。
それでも私達は、それを善用すべきであると信じています。
MT